2.気管切開、胃ろうに対する本人の同意

気管切開や胃ろうに関し、親御さんの同意を得ることは、当然だと思うのですが、本人さんに対しては、どのように同意を得ているのでしょうか？

＜答＞
　医療者として、当然配慮しなければならないことですが、重症児(者)に対する医療を勧めるに当たり、私が忘れがちなことを改めてご指摘いただきありがとうございます。重症児(者)の方は気管切開や胃ろうについてを理解できる方が非常に限られますので、日頃は保護者の同意をもって手術に踏み切っているのが実情です。
　理解力があり、意思表示が可能な方にはインフォームド・コンセントを得るのが当然でしょう。しかし、理解力がどの程度あるかにもよります。気管切開や胃ろう造設は、本人のQOLはもちろん、介護者のQOLについても配慮して決定すべきものと思います。重症児(者)の方の幸せは、介護者を含めた家族の幸せがなければ、達成できませんので、もし重症児(者)の方が「手術がイヤ」と言われた場合も、家族を含めたQOLについて、手術により何が得られるかについて十分理解を求めて納得してもらった上で行うことになります。
　しかし、現実には大半の患者様は気管切開や胃ろうについて理解はできないのが現実と思います。もちろん、筋ジストロフィーの方は理解力が十分にありますので、本人の同意の上で治療方針を決定します。豊田こども発達センター小児神経科　三浦清邦

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