17.福祉現場での゛らち゛があかないジレンマ…

2008/03/11 (火) 20:54 | 質問に対する回答

福祉の現場でご活躍されている方々が今後どのような行動を全国的に展開されていくのか……身内の中でいくら問題提起をしていても、“らち”があかないようなジレンマを感じています…。お考えを何かの機会にお伝え下さい。 

<答>
 福祉の現場にいる者です。全国的にどのように展開していくのかと問われていますが、まずは、それぞれの地域において、「医療的ケア」の課題についての共通認識を得ていくことが大事ではないかと思っています。
 私の施設のある京都市においては、居宅介護事業等連絡協議会や生活介護事業連絡協議会から京都市に対して「医療的ケア」について、さまざまな要望をあげていっています。
 また、相談事業所の連絡協議会の中に、「医療的ケア」部会を立ち上げて、京都市も交えながら、情報の交換と課題の整理を行ってきています。その結果、障害保健福祉課の中で、「医療的ケア」についての議論が始まってきていると聞いております。
 今後、立ち上げられる地域自立支援協議会の中でも、「医療的ケア」の課題を一つの大きなテーマとしてとりあげていくことになります。
 京都府の自立支援協議会の中でも、「医療」に関する分科会を立ち上げて、「高次脳機能障がい」と「医療的ケア」についての課題をとりあげることになりそうです。
 医療的ケアが必要な障がいのある方が、地域生活をおくる上で直面するさまざな課題を集約していき、どのような解決の糸口があるかを共に検討していくことになるでしょう。全国各地のそれぞれの自治体において、まず、できるところから取り組みを始めていくことが、今後の国の動きを左右することになっていくと思っています。
 具体的なところでは、居宅介護における重度訪問介護従事者養成研修の中で、しっかりと「医療的ケア」についての講義を入れ込んでいくように働きかけていくことや、生活介護事業所内での非医療職が「医療的ケア」を行うための一定のルールづくりなどが想定されます。
 それぞれの地域で立ち上げられていく「地域自立支援協議会」をうまく利用しながら、それぞれの地域での課題を集約していき、それを一定の施策に反映させるように国に対して働きかけていくことが必要な取り組みではないかと考えております。
 みなさまのご意見もお聞かせください。
     重症心身障がい者通所事業(B型)「シサム」 施設長 平田 義

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